医療者と、患者やその家族との間には、大なり小なり、ギャップがあるものである。
「親はいくつになっても元気で、いつまでもいるのが当たり前…」
ご家族がそう思い、そう願うのはごく自然なこと。
そうしたご家族の気持ちに寄り添いながらも、急な病状の悪化など不測の事態に備えるのが、医療者としては当然の勤めである。
本人が残された時間をどう使うかという視点から、時には厳しい言葉を浴びせられても、率直に現在の病状、予測される事態を伝えなければいけないこともある。
医療者は、ひとつ屋根の下に暮らしている住人同士でもないし、決して当事者にはなれないが、伴走者にはなれるはず。そう信じて。